日本における戦艦・軍艦の歴史

日本における戦艦・軍艦の歴史

日本における近代海軍としての軍艦の歴史は明治維新から始まると言えます。明治政府はそれまで幕府や各藩が所有していた艦船を集めて海軍を創設しますが、それらの艦船は艦種も大きさもバラバラで統一した作戦が可能なものではありませんでした。その後明治政府がヨーロッパ諸国に建造を依頼することから、日本の戦艦・軍艦の歴史は始まります。明治初期の代表的な近代艦船は、日清戦争直前に完成した、日本三景の名前をつけた三隻の海防艦や高速力の巡洋艦などです。日清戦争に勝利した日本は三笠や富士など当時の最新鋭の戦艦6隻をそろえ、日露戦争を戦います。大正時代や昭和初期においてはイギリス・アメリカに次ぐ海軍勢力として、長門・陸奥などの10隻の戦艦やそれに伴う多数の巡洋艦、駆逐艦など様々な艦種を充実させます。特に、イギリスやアメリカ以上の隻数の航空母艦を建造していたことは先見の明があるといってもよいでしょう。太平洋戦争直後には技術の粋を集めた戦艦、大和、武蔵を建造しましたが、戦争の推移に影響を及ぼすことなく、太平洋戦争によってこれらの艦船の多くが戦没するという悲しい結末になりました。