軍装品の刀緒とは

 

軍装品の刀緒とは

刀緒(とうちょ)とは、明治以降の軍刀に用いられていた軍装品です。
軍刀の柄頭の猿手に付いている絹製の紐のことで、主な用途としては手首に通して抜刀時の脱落防止のため使用していました。それ以外にも、階級章のような役割もあり、陸軍将校では階級別に尉官・佐官・将官の3種類に分類されていました。
階級によって色が異なり、尉官・准士官は茶色基調で裏地が紺青色・佐官が茶色が基調の裏地が緋色・将官は帯部分は緋色で金糸で模様が入っており房部分が黄色です。
海軍は、形や見た目は陸軍の刀緒とほぼ同じですが、階級別の色の差異はなく、裏表ともに茶色一色です。
刀緒は、絹糸の平織りの紐ですので、現存しているものの多くが、解けたり切れてしまっているものが多いです。そのため、綺麗に残っているものは貴重だと言えます。
ちなみに、良く似たものとして、日本刀の鞘に装着している紐である「下緒(さげお)」と混同されることがあるが、この2つは別物ですので、下緒を「刀緒」と表現・表記するのは間違いです。