機動戦士ガンダムとは

機動戦士ガンダムとは

機動戦士ガンダムは、1979年の4月に放送が開始された、テレビ向けのアニメ作品です。総監督には、後に名を轟かせる富野由悠季こと富野喜幸が、原作には矢立肇と連名で名を連ねています。
作品のジャンルはいわゆるロボットもので、当時は珍しかった戦争をテーマに描かれているのが特徴です。富野喜幸はこれまでにも、複数の作品でロボットアニメを制作していましたが、ガンダムでは対象年齢を引き上げて、より大人向けとしました。
戦争とは無縁だった少年が主人公で、突然争いに巻き込まれ困惑しながらも、戦場に身を置いて戦い成長して行く物語です。
従来のロボット作品は子供向けで、人物よりもマシンが中心でしたが、ガンダムでは人間関係や成長が丁寧に描かれています。
リアリティーのあるロボットもの、その先駆けともいえる作品なので、後年になっても根強い人気があります。ファンの間ではファーストと呼ばれ、後に続くシリーズ作品とは距離を置き、より特別な作品と位置付けられています。
ガンダムが登場した切っ掛けになったのは、既にヒットしていた宇宙戦艦ヤマトの存在です。宇宙が舞台で戦争や人間模様が描かれることから、この作品との共通点が度々指摘されます。
しかし、類似点はそれほど多くありませんし、独自の世界観や設定で個性を獲得しているともいえます。宇宙戦艦ヤマトを始めとした作品は、ティーンエージャーがメインターゲットでしたが、機動戦士ガンダムでは大人をメインに捉えることで、他の作品とは異彩を放ちます。
例えば戦争がリアル志向で描かれ、全編に渡って重苦しい雰囲気が漂っています。
主人公が派手に活躍する楽しいアニメというよりも、戦争の悲惨さが胸に伝わってくる、現実味が強いといえるでしょう。
それは富野喜幸の意向が強く反映された結果で、彼が絵コンテで参加していた高畑勲作品や、宮崎駿からの影響が後に語られています。
子供が視聴する夕方の時間帯に、大人向けのロボットアニメの組み合わせなので、当時の視聴率は期待ほどではありませでしたが、それでも根強い人気の獲得に成功します。
今ではシリーズの流れを汲む後継作品が沢山作られ、プラモデルやゲームに劇場作品といった、関連商品も続々と登場しています。いわば一大ブランドに成長している作品で、海外でも注目を集めているアニメですから、今後も人気が続いていくものと思われます。中でも総監督と原作を務めた富野喜幸の存在は大きく、この作品を契機に今でも、業界に影響を与え続けるシリーズを世に送り出しています。